***

とかげ

とかげ (新潮文庫)

とかげ (新潮文庫)

本当はそうだった。何となく気があるふたりがいて、何となく約束して、夜になって、食べて飲んで、どうする?となって、今日あたりいけるとお互いが暗黙の打ち合わせをしてる、というものではなかった。
本当はたださわりたくて、キスしたくて、抱きたくて、少しでも近くに行きたくて、たまらくて一方的にでもなんでも、涙がでるほどしたくて、今すぐ、その人とだけ、その人じゃなければ嫌だ。
それが恋だった。

という部分だけを何度も読み返したりしている。
再生の物語たち。