風が吹くとき
- 出版社/メーカー: アットエンタテインメント
- 発売日: 2009/07/24
- メディア: DVD
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30年くらい前のアニメーション映画。
イギリスの田舎に住む老夫婦(シチューのCMっぽい見た目)
3日後あたりから戦争が始まるというニュースを聞き、おじいさんは政府発行の「核から身を守るために」というパンフレットを片手に核シェルターを作り始める。
非常食も用意して、あらかた準備も整ったかなというその時、ラジオから突然「敵国から核ミサイルが発射され、3分後に到達します。大至急シェルターに避難して下さい」との緊急放送が入り、2人はあわててシェルターに隠れてそして… というお話。
全体で見ると核ミサイル発射前/発射後という2パートに分けられる。
前半の核シェルターを作ってるあたりとか、まーのんびりしてる。核シェルターというネーミングはかっこいいけど、実際何を作ってるかといえば、各部屋のドアを取り外してそれを壁に60度の角度で固定した三角形の隙間という代物。「パンフレットに書いてあるとおりに作ったから、これで安全だな。」とおじいさん。まじか。
文房具屋に行ったら分度器が売り切れていたよと言っていたので、みんなこれ作ってる。あと、核の熱はすごく熱いらしいからと、窓のガラスをペンキで白く塗りつぶしたり。
発射後は2人の家は爆心地から離れていたおかげか、部屋はぐちゃぐちゃになったもののなんとか倒壊せず残った。しかし、もうその後の展開はお察し下さいってかんじ……。
当人たちは最後まで核や放射線の恐ろしさを理解していなかったけど、視聴者にはある程度知識があるので、この後こうなるんじゃないかという予感がそのまま映像で展開される。展開と結末が既にわかっているホラーを見ているようなものだ。
飲み水を準備していたけど爆風でほとんどが割れてしまい、のどが渇いたなと思っていたらちょうど雨が降ってきたので雨水をためて飲み水にしようとか、いやその水絶対やばいって〜!
この映画はもちろん核の怖さを知らしめるために作られているけど、その割に絵柄はほんとにほのぼの系なので、グリム童話やイソップ童話みたいな寓話的な雰囲気がある。
この映画を見て読み取れる教訓は
・核こわい
・無知はこわい
・むやみに政府(の情報)を信頼してはだめ
・年をとってから周りに誰もいないような田舎に住むのは考えもの
・非常時は正常性バイアスに注意
・他愛のない会話は夫婦円満の秘訣
こんなところかな…。