自殺のコスト
- 作者: 雨宮処凛
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2002/01/01
- メディア: 単行本
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読んでいてしみじみ思ったのは、生きている間は形式的にでも一人で生きていくことが現代社会では可能だけど、死んだ後の自分自身の後片付けやら手続きは絶対誰かの世話にならなきゃいけないんだなーと思った。瞬間的に土に還れるならともかく。
トムクルーズが出てた「宇宙戦争」の中で、ビームを照射された人は一瞬で服だけ残して灰になるっていうのがあったけど、ああいうのが欲しいよね。
服毒自殺に必要な薬の量と値段、自殺でおりる保険料、電車に飛び込み自殺をした場合払う賠償金はいくらか?などなど。
特に保険料の章はかなり読み応えがあり、これだけで一冊本になりそうなかんじ。どうしても自殺して保険料をゲットしたい自殺者VSどうしても保険料を払いたくない保険会社、といったほこ×たてみたいなケーススタディが延々と続く。
一応ひと通りの自殺方法でのあれこれが書いてあるけど、結論としては
・人に迷惑をかけないで死ぬのはなかなか難しい(っていうかほぼ無理)
・下手に中途半端に生き残ってしまうと辛い(深刻な後遺症、賠償金etc)
・しかし未遂になるケースは意外と多い
という、なんとなく死にたいなーくらいに思っている人にとっては身も蓋もないようなことばっかり書いてある。
そういう人にとっては「命は大切です」みたいな抽象的な話をされるより、「飛び降り自殺の死体は、お好み焼きみたいになって地面にへばりついて取るのが大変」みたいな話の方が、「ゲーッ!」ってなって自殺抑止には効果的だと思う。