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活発な暗闇

活発な暗闇

活発な暗闇

江国香織さんが選んだ詩と散文の本。
好きなときに手にとって、ぱっと開いたページの詩を読むのがいいかんじ。
せつなくなったり、温かくなったりします。
この本の中で、特に好きな詩を2編紹介します。

耳      清岡卓行




朝眼が覚めたら革命が終ってた


なんてのが いいわよ


と 見知らぬ若い女


見知らぬ若い男からするりと逃げた。


いくら酒を飲んでも


耳しか熱く酔っぱらわないことがある


二月の底冷えのする とある酒場で


ぼくはぼくのからだを持てあまし


ぼくの耳は はげしく


音楽に飢えていた。


最後の3行が特にすき。

雪        八木重吉



雪がふっている


さびしいから 何か食べよう


このほかに収録されていた詩もすきだ。
今度、八木重吉さんの詩集を借りてこようと思う。