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ターン

ターン (新潮文庫)

ターン (新潮文庫)

同じ日を何度も何度も繰り返す世界に、ひとり取り残された女の人のはなし。
真夜中に一気に読んで、読み終わった後、わっと泣きたくなった。
あまりにもこの物語は純粋なものでできすぎていると思う。でも、全然嫌なかんじがしない。

泉さんは、こういう顔をしていたのか、と思った。それは、すっと電話の声に重なった。
「会ってるじゃないか」
そういわれて、一瞬、震えた。泉さんは続けた。
「面と向かったって、会ってない人たちはいくらもいるよ」